消費者物価指数(CPI)とは？FXをやる上で注目すべき重要指標｜数値推移や発表日時まとめ

FXをやる上で、FOMCや雇用統計と同等に重要な指標のひとつとして消費者物価指数があります。

この指標はインフレ率に直結しますので、ファンダメンタル分析をするにおいても必ず把握しておきたい内容です。

特に世界経済の中心であるアメリカの消費者物価指数は注目度が極めて高いです。

消費者物価指数の結果が外国為替市場に大きな影響を与えることも少なくありませんので、ぜひチェックしておきましょう。

消費者物価指数（CPI）とは

消費者物価指数とは、購入する商品やサービスの価格を調査し、過去と比較してその変動を指数値で表す経済指標です。

物価の動きを測る物差しとして使われ、その国の中央銀行が金融政策を決定する際に注目する重要経済指標の一つになります。

消費者物価指数は英語で「Consumer Price Index」といい、これを略しCPIとも呼ばれます。

日本を含め各国で発表されていますが、米労働省労働統計局（BLS）が発表しているアメリカのCPIは特に注目を集めます。

なお、この消費者物価指数の中から天候の影響を受けやすい生鮮食品を除いたものを「消費者物価指数コア」といい、このコア指数の中から海外要因で変動しやすいエネルギー関連を除いたものを「消費者物価指数コアコア」といいます。

ただしこれは日本の場合で、アメリカの場合は生鮮食品とエネルギー関連を除いたものを「消費者物価指数コア」といいます。

日本のCPIコアコア＝アメリカのCPIコア

消費者物価指数（CPI）は、消費者が購入する財やサービスが入った架空のバスケット（買い物かご）の中に含まれる財やサービスそれぞれの価格を調べ、その平均値を計算することで求められます。

バスケットに含まれる財やサービスには、米やパン、牛乳などの食品だけでなく、交通費、家賃、衣料品、娯楽、玩具、家具、理美容、たばこ、医療費など、生活に必要な物品やサービスも含まれ、対象品目は200を超えます。

CPIは以下の式で求めることができます。

米国のCPIは、1982年を基準年としています。

例えば2020年のバスケット内平均価格が1,200ドルで、基準年のバスケット内平均価格が1,000ドルだとしたら、

CPI = (1200 / 1000) × 100

= 1.2 × 100

= 120

よって、2020年のCPIは120となります。

CPIは前年比◯◯%などという形で発表されますので、仮に2019年のCPIが110だとしたら、2020年のCPIは前年比+9%ということになります。

この+9%というのが、いわゆるインフレ率です。

FX取引において、消費者物価指数は世界各国で発表される注目度の高いインフレ指標です。

季節性要因を受ける生鮮食品を除いた「コアCPI」は最も重要視されます。

為替市場において、日本の消費者物価指数発表時は値動きが乏しい傾向にありますが、アメリカやユーロ圏の消費者物価指数発表時は米ドルやユーロに大きな値動きが発生することがあります。

これは中央銀行が政策運営の中で「物価目標」を設定しており、CPIがその判断材料として用いられるからです。

物価上昇に過熱感が出てくると、市場で中央銀行による利上げ期待が高まることで通貨高が進行しやすく、物価が下落する局面では景気下支えを目的とした中央銀行による利下げ期待が高まることで通貨安が進行しやすくなります。

消費者物価指数発表時は事前予想値と結果の乖離が大きければ当該国の通貨が大きく変動する傾向があります。

また、消費者物価指数の上昇率や「前月比」、「前年同月比」でどのように推移・変化しているのかに注目すると、中長期的な為替市場の動きを予想するのに役立つでしょう。

ここでは国内外で発表される代表的なインフレ指標である「消費者物価指数」を紹介してきました。

インフレはその国の通貨の価値につながるため、FX取引で戦略や今後の相場見通しを立てる際には必ず確認しておきたい指標です。

取引を始めたばかりの初心者の方も、消費者物価指数の基本を押さえてFX取引に臨んでみてください。