FXのパーフェクトオーダーとは、短期・中期・長期の移動平均線が順番通りにキレイに “右肩上がり” や “右肩下がり” に並んでいる状態のことを言います。
このパターンがチャートに現れるとトレンドが加速し勢いづくため、トレンドフォローのトレードで面白いほど勝てるようになります。
それでいて難しいことは全くないので、FX取引をするならぜひ覚えておきたいチャートパターンです。
活用方法も併せて説明しますので、ぜひ参考にしてください。
パーフェクトオーダーとは?
パーフェクトオーダー(Perfect Order)とは、直訳すると完璧な順序という意味です。
“完璧な” というのは、短期・中期・長期の順番で移動平均線が並ぶことを意味します。
このように、ローソク足が先導する形でそれに続いて移動平均線が短期➡︎中期➡︎長期とキレイに並んでいる状態をパーフェクトオーダーといいます。
移動平均線の設定方法
移動平均線には単純移動平均線(SMA)や指数平滑移動平均線(EMA)など様々な種類がありますが、これにしないといけないという決まりはありません。
⬆︎左がEMAで、右がSMAです。
線の傾きや滑らかさなどに多少の違いはありますが、どちらもパーフェクトオーダーの状態です。
パーフェクトオーダーは、そのような細かな違いによって結果が変わるものではありませんのでお好きな種類を使っていただいて結構です。
また、移動平均線は期間を設定しないといけませんが、これも任意で自由に決めていただいて構いません。
ただ、一般的には短期であれば21日や25日、中期であれば50日や75日、長期であれば100日や200日に設定する場合が多いです。
これも、21日と25日で大きな違いがあるかと言ったらほぼありません。
そしてさらに言うと、移動平均線の本数も自由です。
このように5本でも、さらに増やして10本でも問題ありません。
ということはつまり、どの種類の移動平均線を使おうが、期間をどのように設定しようが、何本使おうが、トレンドが発生すれば必ずパーフェクトオーダーになります。
この記事では便宜上、短期25日・中期75日・長期200日の3本の指数平滑移動平均線(EMA)で説明させていただきます。
パーフェクトオーダーのメリット
それでは以下でパーフェクトオーダーのメリットについて見ていきましょう。
トレンドの方向がわかる
まずは第一に、トレンドの方向が一目瞭然で分かります。
トレードをするにおいて最も重要なのは環境認識です。
現在の相場が、レンジ状態なのかトレンドが発生しているのかを把握すること
環境認識をすることは、どんなトレードスタイルでも基本中の基本になってきます。
つまり、今レンジなのかトレンドが発生しているのかを把握できていない状態でトレードしても、勝てるようにはならないということです。
その環境認識をするための手っ取り早い且つ確度の高い手段が、パーフェクトオーダー状態か否かをチェックすることです。
⬆︎のチャートの左半分は、ローソク足が先導する形でそれに続いて短期・中期・長期の順で移動平均線が並んでいる典型的な上昇トレンド相場です。
このパターンが現れたら、トレンドフォローで押し目買いするトレード戦略を立てるのがセオリーでしょう。
これに対しチャートの右半分は、ローソク足と短期・中期・長期の移動平均線がそれぞれ入り乱れグチャグチャしていてレンジ相場だと判断できますね。
短期的な値動きに惑わされなくなる
一度トレンドが発生すればその流れはしばらく続くというのがトレンド相場の特徴です。
一時的にそのトレンドの方向と反対方向の値動きが生じたとしても、パーフェクトオーダーの状態が続いているならばそれは短期的な値動きに過ぎないと判断でき、惑わされることが無くなります。
枠で囲った中に100pips以上の陰線があります。
値幅だけ見ればかなりの値動きで、短期の移動平均線も下抜きに変わっていますが、中期と長期の移動平均線はなんら変化はありません。
つまり、今発生している上昇トレンドが終わったわけではないということです。
事実、この後反発して高値を更新していってます。
移動平均線は、文字通りその期間分のローソク足の平均値なわけですから、長期の移動平均線が上向きなら短期的な下落が発生したとしても長期的な上昇トレンドの最中だということになり、すなわちその下落は押し目である場合が多いです。
仮にこれが500pips程の陰線で、短期の移動平均線が中期と長期の移動平均線を下に抜くような形になれば、パーフェクトオーダー成立の条件が崩れてしまうので環境認識を改め直す必要があります。
見方の注意点
聖杯のように思えるパーフェクトオーダーにも、見方に注意点があります。
“パーフェクトオーダーになったらトレンド発生” ではない
トレンドが発生したら必ずパーフェクトオーダーになることは上で述べました。
しかし、ここで気をつけたいのは、”パーフェクトオーダー=トレンド” ではないということです。
つまり、“パーフェクトオーダーの状態になったからトレンドが発生した” というのは違うということです。
このように、ローソク足が先導し且つ移動平均線が短期・中期・長期の順で綺麗に並んでいるパーフェクトオーダーの状態になってもその後トレンドが発生するとは限りません。
そのため、パーフェクトオーダーをサインにしてエントリーをすると、その後の反転に巻き込まれる場合が多くあります。
先述した通り、パーフェクトオーダーはあくまでも大局を把握するための分析方法です。
それだけを根拠にトレードすると勝てないので、水平線やトレンドラインなど他のテクニカル分析と組み合わせて活用しましょう。
出現頻度が少ない
パーフェクトオーダーは、中長期のトレンドを示すという特性上、FXでパーフェクトオーダーを用いたトレードができる機会はそれほど多くありません。
そのため、短期で売買を繰り返すスキャルピングトレードをされる方には活用が難しいかもしれません。
再三になりますが、あくまで中長期の大局を把握するためのツールに過ぎないということは頭に入れておきましょう。
使い方とトレード実例
それでは、パーフェクトオーダーの使い方のコツと、パーフェクトオーダーを使ったトレードの手法を紹介していきます。
上述したデメリットを理解した上でパーフェクトオーダーを活用できるようになれば、それだけで勝てるようになります。
複数の時間軸で見る
まずやっていただきたいことは、複数の時間軸での環境認識です。
ある時間足を基準に、それよりも期間が長い足を上位足、それよりも期間が短い足を下位足として、複数の時間足の状況から総合的に判断することを「マルチタイムフレーム分析」と言いますが、パーフェクトオーダーを活用する場合はこれが特に重要になります。
例えば1時間足を軸に起き、4時間足や日足を上位足、30分足や15分足を下位足として見るような感じです。
水平線(抵抗線や支持線)やトレンドラインと併せて活用する
マルチタイムフレーム分析で時間足ごとの相場の状況を把握できたら、各時間足にラインを引いてみましょう。
抵抗線(レジスタンスライン)や支持線(サポートライン)などの水平線や、トレンドラインのような斜めのラインです。
ラインというのは引こうと思えばいくらでも引けてしまいますが、2本〜4本がいいでしょう。
トレード実例
ドル円のチャートからとある期間を切り取って、そこにおけるトレード手法を紹介していきます。
ドル円の日足です。
緑色で囲った部分を見てください。
138円の高値へのトライに2回目で成功したあとの値動きです。
高値を更新したことで、上昇に勢いがつきトレンドが発生しそうな雰囲気です。
移動平均線を見ると短期・中期・長期が綺麗に並んでおりパーフェクトオーダーになっています。
つまり、大局は上向きと見ることができます。
4時間足です。
4時間足でもパーフェクトオーダーです。
非常に強い上昇トレンドが発生していることが窺い知れます。
直前では138円がレジスタンスラインとして機能していましたので、そこをブレイクした今、今度は138円がサポートラインになるだろうと見ることができます。
つまり、取るべき戦略は、緑色の丸で囲った中の値動きを押し目として捉え、然るべきタイミングでロングすることです。
1時間足です。
黄色い四角で囲った部分はローソク足と移動平均線が絡み合ってゴチャゴチャしています。
日足と4時間足で見ればパーフェクトオーダーですが、1時間足では一旦小休止していると見ることができます。
こういう場合はラインを引いて、そこをブレイクした時にエントリーできるように備えておきましょう。
例えばこのようなチャートであれば、ピンク色のラインで示したように三角持ち合いのパターンを形成していると見ることができます。
ではさらに時間足を落としてオレンジ色の丸の中を見てみましょう。
30分足です。
三角持ち合いを上に抜け、直前の小さな揉み合いも上に抜けたタイミングがロングする絶好のタイミングです。
パーフェクトオーダーになるタイミングでもあります。
120pipsほど上昇した後また下落してきていますが、上位足は上昇トレンドですし、これ以上ないぐらい各時間足で綺麗なパーフェクトオーダーですのでビビって手仕舞うのはもったいないでしょう。
赤色の丸でタイミングよくエントリーできなければ、水色の丸の部分で押し目買いするのもいいかと思います。
まとめ
パーフェクトオーダーは、チャートをパッと見るだけで判断できるのでとても簡単なチャート分析方法です。
相場の流れをしっかり把握することができますし、初心者から上級者まで使えます。
個人的には聖杯に限りなく近い手法だと思っています。
少し練習するだけでトレンドフォローのデイトレードができるようになると思いますので、ぜひ試してみてください。
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